自然エネルギー送電研究会(STRED)

平成23年7月

全国で原発40基分の電気が風力発電設備で得られる

環境省は平成22年度再生エネルギー導入ポテンシャル調査報告書で買取価格20円/kWhで原発40基分(1基100万kWとして)の電力が風力発電設備で得られると発表しました。 この内、北海道と東方区地方の合計は約半分とのことです。

再生可能エネルギー買取法で大量の電力が風力発電で得られるのか?

古来より風の強い地域には人はあまり住んでいません。また工場も少なく電力の使用量が少ないために送電線の容量も小さいのです。この送電線に風力発電で作られた不安定な電力を大量に流し込むと周波数変動や電圧変動が起こるため風車を建設出来なかったのです。従って、再生可能エネルギー買取法が実施され、風車建設についての諸規制が緩和されても電力会社への連系は非常に制限されるので大量の電力を 得ることはできません。

解決策はある

強風地域は北海道と東北に偏在しています。この地域に専用送電線『スーパーグリッド』を敷設し、電力会社の基幹基地に電力を供給するのです。こうすれば電流の変動が平準化され周波数変動や電圧変動も解決され、風から大量の電力を得れます。
送電方法は交流にするのか、直流(HVDC)にするかは送電線ロス、安全性や経済性等を勘案し検討しなければなりません。

本研究会の目的

本研究会はこの計画を訴え、『スーパーグリッド』を実現することを目的とします。

スーパーグリッド計画案

環境省は電気の買取価格20円/kWhで採算に乗る陸上風力発電設備は北海道の道北地域だけで約3,000万kW/h、東北地域で約3,900万kW/hあると報告しています。この地域にスーパーグリッドを敷設するのです。

北海道の浜頓別から日本海側を通って関東迄

北海道電力、東北電力及び東京電力に電気を供給します。1基2,000KW/hの風車を設置するとすれば試算では約2,500万kW/hになります。送電距離は約1,500KM。道東、道南、道中にも大きな風のポテンシャルがあるので増設が期待できます。

青森の下北半島から太平洋側を通って関東迄

東北電力と東京電力に電気を供給します。試算では約1,000万kWになります。送電距離は約600KM。

本計画によるメリット

1) スーパーグリッドに無制限に簡単に電力を連系出来ます。連系費用が安価なので風車の建設費用を低減できます。
2) 風車の本数が多く、かつ設置場所が広範囲なので電気の変動が平準化できます。
3) 原子力発電設備約10〜11基分の電力を得ることができます。これにより温暖化防止と輸入に頼らない自前のエネルギーが確保できます。
4) 風車建設費用を25万円/kWとすれば8兆7500億円、送電線敷設費用を8,000万円/kWとすれば1,680億円、合計約9兆円の設備投資が見込まれ、大きな内需が期待できます。風車関連産業が育つだけでなく、工事に伴い過疎地の雇用に大いに貢献できます。
5) 修理やメンテナンスで地域の雇用が期待できます。
6) 9兆円の固定資産税約1,200億円(初年度)や風車用地の借地料(1基10万円とすれば17,500基で)17.5億円が毎年地域に入ります。
7) 地域間の電力の融通が容易になるため震災時や非常時に電力を融通できます。

計画を実現するために緩和すべき規制や支援

1) スーパーグリッドを容易に敷設できるように事業主体には国有地を賃貸・貸与すると共に電気事業法で規定される電気事業者の立場を与えること。
2) スーパーグリッドの運営費は送電料で賄うとしても当初は風車の台数が少なく送電料も少ないので、設備費用の補助をすること。大きな経済効果、過疎地対策、雇用対策、エネルギー自給率向上、温暖化防止効果等を考えれば国家プロジェクトとして税金を投入するだけの価値があると考えます。

(ご意見や感想などを下記までメイルお願いいたします)
msawa213@dj8.so-net.ne.jp

(自然エネルギー送電研究会 代表 澤 光春 の略歴)

京都大学工学部修士過程卒業後三井物産(株)に勤務。退社後(株)ミツウロコとダイネン(株)の賛同を得てM&Dグリーンエネルギー(株)を設立。退任後、絵本や紙芝居で子供たちに温暖化防止を訴えるために児童環境教育研究会を設立。